東大首席も実践「7回読み勉強法」


「勉強をしたくても、勉強の仕方がわからない。
誰か効率の良い勉強法を教えて!」
こういった悩みにお答えします。
目次
東大首席 山口真由氏の「7回読み勉強法」

山口真由氏の経歴
山口真由氏はニューヨーク州の弁護士で、元財務官僚です。
1983年生まれ。北海道出身で、両親が東大医学部と京大医学部という受験の覇者から生まれたスーパーな家庭で育ちました。高校で上京し、筑波大学附属高校に進学します。
高校入学後は順調に勉学を重ね、東大法学部に進学。大学の履修科目の評価はオール「優」。凄まじいです。
山口真由は、在学中の3年生で旧司法試験に合格。4年時に総長賞を受賞し、2006年3月に首席で東大を卒業しました。
東京大学卒業後は2006年に財務省へ入省。2008年に退官し、2009年に弁護士として活動を始めます。そして、2015年にハーバード大学法科大学院へ入学。翌2016年に修了し学位を取得した後には、2017年に東大大学院の法学政治学研究科博士課程に進学。
本当にエリートの中のエリートですね。東大に入るだけでも十分凄いのですが、学内の成績もオール「優」かつ、在学中に旧司法試験合格。その後はトップ官僚として働き、弁護士もやっちゃう。彼女の人生の密度は一体どうなっているのか。カルピスの原液でいったら一滴で2L作れるくらい濃度が濃いです。
山口氏の経歴について書いていくとため息しか出ないので、この辺にしておきますね。
さてさて、ここまで聞いてみなさんは山口氏の成果についてどう思うでしょうか。
「どうせ才能があったから成功したんでしょ。だって、両親とも医学部じゃん。
金持ちでIQもたかけりゃそりゃ成功するでしょ。」と思った方はここから先は読まなくてOKです。
「才能はもちろんあるかもしれないけど、それだけじゃないでしょ!
山口氏の成功にはきっと、後天的な要素も大きくかかわっていると思う!」
このように感じた方はぜひ次項にお進みください。
「7回読み勉強法」の方法について具体的に解説します。
7回読み勉強法のやり方

「7回読み勉強法」とは、とてもシンプルで、同じ本を「7回読む」というものです。
その際に、学ぶべき内容が詳細にカバーされた網羅性が高い一冊の本を繰り返し読むことで記憶に定着させるのが基本的な考え方になります。
それでは、さっそく具体的な方法を解説していきます。
どのように、7回読んでいくのかについて注目して読み進めていって下さい。
1-3回目:テキストの下読み
1回目:まずは章のタイトルや見出しを頭に写し取る感覚で、全体は漢字を中心に、さっと流し読みをし、全体の構造を掴みとる。これをサーチライト読みと呼びます。
2回目:1回目と同様に、漢字を意識しながら、2行ずつ斜め読みをするイメージで、もう一度流し読みをする。
1回目と基本的にはやり方は変えないですが、少しだけしっかり読む範囲を広げる感じです。
3回目:さらに流し読みを重ねる。あくまでも理解するのではなく流すように全体像を把握して読むのがポイントです。あまり理解しようと意識しすぎると、読むスピードが遅くなり、木を見て森を見ず状態になってしまいます。
4-5回目:平読み
4回目:書いてあることがなんとなくわかるようになったら、よく出てくる単語に注目しながら読むようにしましょう。全ての文章を細かく読む必要はありませんが、文章にどんなキーワードが重要な部分として出てくるのかを意識しながら流し読みをしましょう。
5回目:次に、キーワードの間にある説明文を意識しながら読みましょう。キーワードを説明している文章も注意しながら読むことで、単語の意味や詳しい内容も段々と頭に入ってきます。
6-7回目:要約読み
6回目:これまでで重要な部分は理解できたはずなので、6回目では今まで読み飛ばしていた細かい部分も読むようにしましょう。6回目は今まで読んできた分の答え合わせのような感覚で読みます。
7回目:6回も繰り返し読んでいればほとんどの内容は定着しているはずですが、まだ覚えきれていない部分もあるでしょう。そうした部分まで完璧にできるよう、7回目で最後の確認をしながら読んでいくことで、参考書の内容を細かい部分まで覚えることができるようになります。
7回読み勉強法がオススメできる理由

ここまで読んでくださった方の中には、「7回読み勉強法」が本当に効果があるのか疑問に感じている方もいらっしゃると思います。
しかし、科学的理由からやはり、「7回読み勉強法」はおすすめできると申し上げたいと思います。
科学的理由:エビングハウスの忘却曲線
理由:エビングハウスの忘却曲線

これはみなさんおなじみのエビングハウスの忘却曲線です。
この図が示しているのは、人間は今記憶したことは20分後には4割ほど喪失し、一日経つと7割近く失われるということです。
学生時代に、歴史ものなどのテキストを一周したあとで二周目に入るとほとんど忘れていることはありませんでしたか?
それは当然といえば当然で、一カ月も経てば最初に学んだことは8割ほど失われてしまうのです。
つまり、復習のサイクルスピードが遅すぎると「二歩進んで二歩下がる」状態でいつまでたってもテキストの内容が頭に入らないということになってしまいます。
じゃあどうすればいいのか。
次の図を見てください。

これは、復習をした時の記憶の維持率を横軸を時間としてあらわしたものになります。
図が示している通り、一回目の記憶は急激に記憶の維持率が低下していきますが、
回数を重ねるごとに低下率が緩やかになっていきます。
そしてこのグラフを見ると、7回目から8回目の学習で記憶の喪失スピードがなだらかになり、記憶が定着していることがわかります。
このことから、山口氏が7回読みを推奨しているのは科学的にも正しいということが言えると思います。
7回読み勉強法のデメリット
理解できているかどうか不安になる
1回目から3回目まではサーチライト読みといわれる流し読みを行うこともあり
内容が頭に入ってこない不安に駆られることがあると思います。
ここから読み進めても永遠に理解できないのではないか、そうなったらこの時間は無駄になってしまうのではないか。こういった不安が襲ってきます。
しかし、山口氏曰く、この方法は「5回目に読むころには、教科書の理解度が2割くらいから、いきなり8割くらいにはね上がります。」とのことなので5回目までは不安と闘いましょう。
この最初の4回目までの糠に釘感に打ち勝てるかがこの勉強法の難所といえるでしょう。
時間がかかり挫折しやすい
これも先ほどの理解度が高まらないことと似ているのですが、7回も読まないといけないので
単純に時間がかかります。
しかも途中まで理解度がなかなか高まらないわけですから、ダブルパンチで不安が襲ってきます。
ただでさえ受験生には時間がないわけですから、効果がないことに時間を費やすわけにはいきませんよね。
ただ、これまで述べてきた通り、科学的にも効果がある勉強法なので、不安な方は勉強量が小さい科目や分野でまずは「7回読み勉強法」を取り入れてみるのはいかがでしょうか。
そこで成果が出てきたら他の科目にもこの勉強法を適用していきましょう。
教科・分野によっては不適切なものもある
「7回読み勉強法」はどんな分野にも使えるのでしょうか。
私の見解は、「ほとんどのインプット科目に使えるが一部使えないものもある」というものです。
例えば、英語の長文問題の場合、内容を暗記することが目的ではなく、英文を和訳して内容を一時的に把握することが目的です。内容を長期的に暗記することが目的ではないので、7回も読む必要はないと思います。時間をかけて7回読んで内容を覚えたところで、次に読む長文は全く違う内容の長文ですので、長文読解の目的に照らし合わせると、コストパフォーマンスが悪くなってしまいます。
一方で、同じ英語でも英単語の暗記は7回読み勉強法が使えると思います。
つまり、どの科目で使えて、どの科目で使えないのかは「内容を長期的に暗記する必要があるかどうか」を判断基準にすればOKです。
まとめ
ここまで読んでくださった方、お疲れさまでした。
効率的な勉強法は古今東西で様々なものがありますが、いまだに新しい勉強法が話題になるということは
本当の正解はまだ出ていないということなのかもしれません。
ただ一つ言えることは、見たもの聞いたものを一発で覚えてしまうような天才でない限り、
私のような凡人は「繰り返し、繰り返し、地道に覚える行為」から逃げられないということです。
もちろんその繰り返しの中では、「どのタイミングで繰り返せばいいのか」や、「イラストやイメージを添えて覚えたほうがいい」などと細かいテクニックで数パーセントは効率はあがると思います。
しかし、やはり勉強(暗記)の本質は「繰り返す」だと思います。
その意味で、この「7回読み勉強法」は本質を捉えた効率的な勉強法であると思います。
実際、筆者も大学受験の際は英語と数学の基本テキストを各8周して二科目偏差値が80近くまで到達しました。
そのおかげで、英数で勝負できる早稲田商学部、慶應商学部・経済学部、後期一橋経済学部に合格しております(早稲田政経と前期東大文Ⅱには落ちました)。
最後蛇足になりましたが、勉強法で悩んでいる方がいましたらぜひこの「7回読み勉強法」をお試しください。
私は物覚えが悪かったので8回読みしないといけませんでしたが。(笑)
というわけで、今回は以上となります。
今後もこういった勉強法やエンジニアとしての知識系記事などをどんどん書いていこうと思っております。
それでは、また次回お会いしましょう。ありがとうございました。